ヨーロッパ企画Presents「第5回ショートショートムービーフェスティバル」東京本選@ヤクルトホール


今年の共通タイトルは「ゴ」。回を重ねるごとに、どんどん面白くなっていってる気がする。いやはや楽しかったー。


これから先は、私的な感想がちょろちょろ書いてあるので、大阪に行かれる方は気をつけてください。







今回も、酒井博士によるロボットで上映順の抽選。自分の抽選の番になると、シュバっと白衣を脱いで、酒井さんに戻る。博士キャラめんどくさいわー(笑)


1・永野宗典(ヨーロッパ企画)
5畳になりたい4畳半の部屋と、そこの住人とのラブストーリー。見終わって、これは1位取っちゃうんじゃないの、って思った。トップバッターとして、最高の作品。部屋を飛び出してからの独り言をつぶやきまくるところ大好き。「アスファルトつめたーい」。来年以降も良い作品造り続けるだろうなーって思う。
前川さんから頂いたスーツで登場。一昔前の三つ揃えが妙に似合う。


2・ イクイプメン(お笑いユニット)
アニメーション。キリクチくんは、ほぼ1で見てるとどうも面白さがわかんないんだけど、何パターンか見ていくと、段々とくつくつ笑えてくる。人羅さん曰く、あるある。


3・ ムロツヨシ(俳優)
ぬいぐるみとフィギュアの妄想会話。毎年の恒例になっている本広監督からの酷評。「出るべきじゃなかった。上田君が選ばれるべきだった」と自分を卑下するほど起きる笑いにも「ムロくんで笑わなくていいから」とぴしゃり。厳しー。でも去年の犬映画より、だいぶ笑えたよ。


4・ ポップル・ピープ・プロダクションズ(一般)
ラフスケッチアニメーション。2人の男性が並んでいる1枚の絵に声をあてて、カメラは引きか寄りで撮るだけのシンプルな作品。でも、ゆるい会話と字幕のズレやカメラの切り替えの間の絶妙さが面白い。一般予選会で観てはいたけど、5分と言わずもっと観てられるなー。他の作品も気になる。
3人組内の1人だけ来場されてて、作品のまんまのキャラクター(アフレコも担当しているそう)でにこにこしてしまった。きっと、この人柄で票も増えたね。そのくらいいい雰囲気。


5・ 東京03(芸人)
5分で5本のショートショートムービー。なんと言うか、惜しい。詰め込みすぎ?単独ライブを見ているからか、「この感じ」にはなれっこ。笑
上映後は、「ノリを間違えた!」「違うんです!」を連呼しながら前へ前へいく3人。うっさいわー。でも好きだわー笑 本人たちも言ってたけど、これが本来の03の笑いだと思わないでー!


6・山脇唯(ヨーロッパ企画)
青春映画。今まで観た山脇作品の中で、一番好き。分かりやすくて5分できちんとストーリーをみせてくれた。喜多さんとソリ松の雰囲気がとても良かって、うっかり泣きかけた。ただヨーロッパハウスに入り浸ってるだけじゃなかったのね、喜多さん。石田さんの学生役にも限界が見える。
真っ赤なワンピースの山脇さん、めっちゃくちゃ可愛かった。完全ヒロイン!


7・酒井善史(ヨーロッパ企画)
特撮。まさかの本選出場!これ以上ないチープな合体シーンとサカイヨシフミの歌声に、ざわつく会場(笑) 笑いすぎて涙出たわー。黒木組と並んで、唯一無二な作品を撮りつづけてくれるだろうなあって期待がむくむく湧いてくるよ。票を取れる取れないは別として。笑 合体シーンだけでも、も一回観たいなー。


8・諏訪雅(ヨーロッパ企画)
ゴリラ映画。諏訪さんは、毎回きちんと映画らしい映画を撮る。面白かったけど、印象に残りにくかったかな。主演はまだふくふく時代の角田さん。重田さんのゴリラ度の高さに驚いた。


9・モンスターエンジン西森洋一(芸人)
ニートへの密着ドキュメンタリー風。ニート役は同居人の芸人さんにお願いしたそうで、マジなのかと思うほどリアル。実際近いものがあるんだろうな。時折出てくる「ニート」というテロップと声に、また来るとわかってても笑っちゃう、重ねるおもろさ。
一人普段着で登場して、「ボタンしめりゃいいんやろ」。笑


10・モッカモッカ(演劇ユニット)
1足の靴をめぐる、格闘系ラブストーリー。とんでもない方向へ持っていくかと思いきや、ラストも綺麗にまとまっていて、面白かったけどなんとなく物足りない。モッカモッカには、もっともっとはちゃめちゃでいて欲しいな。またトヨエツ出てきたよ。水野美紀がこういう作品に出ていても、どんどん違和感がなくなってくる。
辻さんはいつも小鹿のようで、見ていて若干心配になる。笑


11・せきしろ(文筆家)
1つの碁石にテロップをつけていく作品。最期のイエスタデイオチもわかりにくくて、観ていてどうすればいいのかわかんなくなったなー。面白いテロップもいくつもあったし、映像でなくて、大喜利で見たい。


12・ 角田貴志(ヨーロッパ企画)
体験型ムービー。今まで出てこなかった発想。「目をつむってください」と言われて、正直につむってたけど、違う違う騙されてる!と気づいて目を開けました。しっかり見届けたよ、ふざけた映像を。でもこれ、本当にちゃんと目をつむって、人によって経験の差が出来たら面白い。


13・真壁幸紀(一般)
ボクシングチャンピオンと挑戦者のしりとり記者会見。演技も舞台も映像もちゃんとしてる。一般予選会では1位通過だったけど、やっぱり本選にきてる作品の中でみると印象がかわるなあ。珍しく本広監督が厳しい意見。調べてみたら、どうやらROBOTの社員さんらしい。なるほど。


14・ソリ(演劇ユニット)
仁侠映画。窓枠が「ゴ」の形になるっていうオチを使いたくてこの話にしたらしいけど、ヤクザものじゃなくてもよかったんじゃ。組長の中川さんがリアルすぎる。土佐さんがいなかったのが意外。一番それっぽいのに。


15・黒木正浩(ヨーロッパ企画)
黒木さんはシードでいいよ。何故なら、黒木映画に出てくる役者のこんな演技は、ここでしか見られないから。GO衛門太、格好良すぎる。


16・藤村忠寿(テレビディレクター)
HTBのスタジオと社員とニュースと、身近なものをこれでもかと使いまくった作品。真面目にニュースを読むアナウンサーと、それにかぶる藤やんの声と、冷静な調整室からの声と、要素が多いのにそれぞれが可笑しい。藤やんがでかい声を出すだけで面白いもんなあ。見せ方も魅せ方もわかってる。藤やんは最初の登場からしてもう完全にホームで、見る前から笑う空気になってたなあとも思うけど。


17・中山祐一朗(俳優)
ゴディバに翻弄される男のファンタジー映画。パンク侍の本番前に撮影したらしく、本多劇場で山内さんと転球さんも出演。中山さんの可愛らしさが爆発。映像作るの初めてらしいけど、そうは見えないよねえ。
黒シャツ・黒スーツ・黒ネクタイ・黒眼鏡が素敵すぎた。


18・ 筧昌也(映画監督)
指を人に見立てたラブストーリー。本人は気にしてなかったって言うけど、照明が良かったのか画が綺麗でとても観やすかったな。どんなに面白くても撮影が下手じゃ観る気しないもんね。背景が黒バックだったから手も映えたんだと思う。最後までしっかりと綺麗にまとまっていて、流石本業。


1位 ポップル・ピープ・プロダクションズ 監督
2位 藤村忠寿 監督
3位 永野宗典 監督


最初に監督紹介で1人ずつ出てくるとき、黒木さんが邪魔そうな大扇を持って登場。バッサーっと広げてました。その後も出てくる監督たちといちいち抱き合ったり握手したり、この人は…笑 藤やんが、あのヒゲが、目の前で馬鹿笑いをしてるってことだけで、もうたまらん。
例年、結局、シンプルな作品が票を集めたりするのよね。P・P・Pも100票以上の票集めてたし、大阪もまたガラっとかわってくると思うのだ。そういうところがまた面白い。本広監督の意見も、凄く票に左右されやすかっただろうな。貴重な1票は、永野さんとどちらかだいぶ悩んで、山脇さんに入れました。今までの作品との印象の差に驚いたし、女性監督としての期待も含めて。
こういう好きな要素がたっぷりのイベントを作っていってしまうから、離れられなくなるんだ。早くも来年以降が楽しみ!